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Posted by チェスト at

2022年06月24日

覆水盆に返らず




おはようございます、ちょこです。

先日、瀬戸内寂聴さんが亡くなられました。
10年程前に、寂聴さんの法話のCDをよく聴いた時期がありました。

その中に、こんなお話が。
「覆水盆に返らず。失った物は帰らない。ひとしきり泣いたら忘れて、クヨクヨせずに前を向いて歩いていきなさい」
というような内容だったと思います。
(うろ覚えなので、間違っていたらごめんなさい)

なるほどなぁ~と思いながら、
思い出すこと40年近く前。

いつもは帰りの遅い父親が、
珍しく早く帰宅した日。
「ハンバーガーを食べに行こう」と
5才だったボクを連れて天文館へ。

日が沈み、シャッターが閉まった通り。
こんなに夜遅く(たぶん8時くらいなのだろうけど)、
静かな天文館のアーケードを歩くのが初めてのボクには大冒険。

そして輝くロッテリアの看板。

注文を任されたボクは、
なんとなくでハンバーガーsetを2個注文。

「ポテトのサイズは何にしますか?」
と優しいお姉さんに訊かれ、
S・M・Lと区別がつかないボクは
「える!」と元気良く。

「ドリンクは何にしますか?」の質問に
ひらがなで書いてあって、たまたま読めた、
飲みたいわけではなかった
「ぶどう!」を注文。

待つこと数分。
ハンバーガーとポテトの乗った、
5才には大きいトレーを受け取り、
一路、2階へと向かう。

一段一段、ゆっくりゆっくり
トレーで見えない階段を上がる。
目の前には、食べるのが楽しみなハンバーガーとポテト。

ようやく無事に登りきった
と思った階段には、もう一段あって
食べたい気持ちと一緒に目の前から飛び出していく
ハンバーガーとポテト。。。

テーブルに着いた後、残った物は
無事だったハンバーガーと、
飲みたいわけではなかった ぶどうのジュース。

店員さんから借りたホウキとチリトリで
散乱したポテトを片付ける父親の姿を
40年近く経っても忘れない。

「覆水盆に返らず」
言葉を知るより前に、身に染みた出来事。

寂聴さんが亡くなられて
こんなことを思い出しました。

只今時刻は、3時36分。
本日も、皆さまのご来店をお待ちしております☆
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Posted by パンとケーキのお店 ちょこ at 04:00Comments(0)ちょこの小噺。